曹操の息子・曹彰はどのような最期を遂げたのか？

曹彰は曹操と卞夫人の間に生まれた第二嫡子である。曹魏の著名な武将であり、曹操の息子の中で最も軍事に精通していた人物とされる。

幼少期、曹操が四人の嫡子の学業を査定した際、曹植が文学知識で第一位を獲得した。曹丕の教養も水準を超えていたが、曹彰の学力は最下位であった。曹操が「学問を好まず、将来何をしたいのか」と問うと、曹彰は「将軍となることを志し、兵法を好む」と即答した。

この返答を受けた曹操は息子を軍中で鍛錬させることにした。史書には「鼎を持ち上げる膂力を持ち、兵法を愛好した」と記録されている。軍務に没頭した曹彰は水を得た魚のように成長を遂げ、魏国朝廷を代表する名将へと発展した。特に魏国北部国境で烏桓部族が再び反乱を起こした際、曹操の命を受けて征討に向かい、迅速に平定を成し遂げた。

しかしこの軍事的天才は、曹丕が即位した後に悲劇的な最期を迎える。曹操の死後、曹彰は軍勢を率いて鄴城に赴き「葬儀に参列する」と称したが、実際は魏王の玉璽を要求するためであった。賈逵の説得を受けて兵権を返上し、自らの封国に戻った。

曹丕が皇帝に即位すると、曹彰を公爵から任城王に昇格させた。しかし曹氏一族の権力を次第に削減する政策を推進し、曹操時代のような実権を一切与えなかった。富と栄誉は保持したものの、権力を持たない状態に鬱屈した曹彰は、洛陽へ参内する途上の王府で急死した。一部の野史には「曹丕に毒殺された」との記述も存在する。
 

【曹彰関連データ表】