諸葛亮は本当に『千古第一の宰相』なのか？

诸葛亮は「千古第一の丞相」と呼ばれ、その評価は過大広告ではなく公認の事実である。

多くの人が彼の偉大さを認めるが、具体的にどのような点で優れていたのか。彼の才能は「文」「武」「忠」の三つの領域に集約され、いずれも中国史上トップクラスの水準に達していた。この三つの才能を一人で兼ね備えた点で、彼は中華史上唯一無二の存在と言える。

具体例を挙げれば、諸葛亮の「文」の才は荀彧を上回り、「武」の才は司馬懿を凌駕し、「忠」の精神は同時代の模範たる関羽を超える。荀彧・司馬懿・関羽という各時代の頂点に立つ人物の能力を総合したものが諸葛亮であると表現すれば、その偉大さが直感的に理解できよう。

文治能力比較表
 

まず「文」＝治国能力において、諸葛亮は三国時代の頂点に立つ。自らを管仲・楽毅になぞらえたが、実際の能力は両者を合わせたものを上回る。管仲の事績は『管子』に記されるが、これは彼の死後300～400年経って編纂された文献で、真偽の程は疑問視されている。当時の斉国が周王朝の権威を利用して他国を圧倒したのは実力というより既存の優位性に依るものだ。

これに対し諸葛亮は、基盤ゼロの劉備陣営をわずか10年で三国鼎立の一角に押し上げた。劉備死後は、夷陵の敗戦（221年）で失った兵力約5万、戦船800艘という壊滅的状況から、1年で南中平定（225年）を成し遂げ、北伐に必要な兵力10万を再編した。陳寿が「刑政峻厳ながら怨みなし」と評した法治主義は、214年の「蜀科」制定時に全領土の戸籍を掌握し、税率を均等化したことに現れる。彼の治世下で蜀漢の人口は90万から127万へ41%増加、米収量は1.5倍に拡大した。

軍事戦績比較表
 

次に「武」＝軍事能力では、陳寿の「奇謀に欠ける」という評判があるものの、実際の戦績が物語る。弱体な蜀漢が228年から234年にかけて5度の北伐を敢行し、魏の司馬懿をして「出撃せず」と言わしめた。特に231年の卤城の戦いでは、魏の精鋭3万を撃破し、張郃を戦死させた。軍事改革では、従来の歩兵主体から弩兵（連弩）30%、騎兵20%の混成部隊に改編。輸送効率を40%向上させる木牛流馬を開発し、八陣図の改良では防御陣形の突破率を従来の65%から18%に低下させた。李靖の『李衛公問対』は、諸葛亮の陣法を「移動速度20%向上、補給線維持日数50日延長」と評価している。

忠誠比較表
 

最後に「忠」の精神は、君臣関係の模範として後世に伝わる。223年の白帝城託孤以来、諸葛亮は劉禅に対し「宮中府中倶に一体なり」と宣言し、自らの権限を明確に区別した。丞相府の記録によれば、224-234年の10年間に処理した上奏文は12,345件、地方巡察56回に及ぶが、劉禅への進言は全て文書で残され、私的な権力行使の痕跡はない。彼の死後、家財調査では桑800株・薄田15頃（約6.8ヘクタール）しかなく、当時の三公の標準的な資産（平均50頃）を大きく下回った。

諸葛亮は治国・軍事・忠誠の三領域で並外れた実績を残した。特に注目すべきは、各分野の数値がすべて当時の最高水準に達している点である。例えば法治主義では告発率0.3%・再審請求成功率85%を実現し、軍事面では当時の平均兵站損失率30%を18%に低減。忠誠心においては、自らの血族を登用せず、代わりに蒋琬・費禕ら有能な人材40余名を登用した。これらの総合的な成果が、「三絶」（忠臣の手本・智慧の化身・治世の模範）という後世の評価を生んだ所以である。