宋から明までわずか90年未満なのに、なぜ時代の断絶が隔世のように感じられるのか？

最も重要な理由は単純です：90年という時間は実はまったく短くないのです。

いくつか例を挙げてみましょう：

戦後日本（1945年開始）と徳川幕府（1867年終了）の間は80年も経っていませんが、この期間にどれほどの変革があり、様々な浮き沈みがあったか、まるで別世界のようですよね？

ロシア連邦（1991年成立）とロシア帝国（1917年滅亡）の間はわずか70年余り。この間に起こった変革と激動は、まさに隔世の感があります。

現在のタリバン政権（2021年成立）とアフガン王国滅亡（1973年）の間は50年未満。この間に何度政権が交代したか、文字通り「城頭の大王旗」がひっきりなしに変わったのです。

中華人民共和国（1949年成立）と清朝（1911年滅亡）の間は40年も経っていません。この短期間の変革の大きさは計り知れません。

現代のセルビアとユーゴスラビア連邦（1992年解体）の間はたった30年。この間に起きた大事件の数々は、まさに別世界を感じさせます。

第二次大戦後のドイツ・オーストリア（ともに1945年開始）と、それぞれの前身であるドイツ帝国・オーストリア＝ハンガリー帝国（ともに1918年滅亡）の間は30年未満。この間の変革と混乱は「鍋粥」状態と言えるほどでした。

ブルボン朝復古後のフランス（1815年）と革命前のフランス（1789年）は30年未満。表面上は同じ王朝に見えますが、この間に起きた変革と政権交代の激しさは隔世の感があります。

これらと比べれば、宋と明の間の変化は相対的に小さいと言えるでしょう。むしろ唐と宋の間の変化の方が大きかったかもしれません。

唐滅亡（907年）から宋成立（960年）までわずか50余年。この間に何度も政権が交代し、社会が根本的に変貌しました。

さらに、大規模な戦乱は短期間で「隔世感」をもたらします。例えば：
 

たった20年で戸数が66%以上減少。隋末の戦乱を経験した人々が隔世感を抱かないわけがありません。

安史の乱でも同様の現象が：
 

わずか9年で戸数67%減。杜甫の詩を読めば、この劇的変化がよくわかります。

第一次世界大戦（1914-1918年）はたった4年余りで、ヨーロッパの心理的・地理的構造を一変させました。国家の断絶と人々の隔世感は計り知れません。

これらと比べれば、宋明間の90年が短いと言えるでしょうか？

最後に補足すると、宋と明はいずれも約300年続いた長期王朝です（宋960-1279年、明1368-1662年）。宋の終わりと明の始まりを比べれば90年未満ですが、宋の始まりと明の終わりでは実に700年もの差があります。公平を期すなら中間値（明1510年頃と宋1120年頃）で比較すべきで、約400年の隔たりがあれば「別時代」と感じるのが当然なのです。