现代の一般人の食事は周の天子よりも良いのか？

古代において「純天然・野生」への信仰は非常に奇妙なものでした。なぜなら食の観点から言えば、古代世界で本当の純天然野生とは寄生虫、細菌、カビ毒、消化困難などを意味しており、人々は人工的な処理プロセスでこれらの問題を解決していたからです！工業社会になって初めて、ある程度「飼いならされた純天然野生風味」を創造できるようになり、この信仰が成立する基盤が生まれたのです。工業社会で多少の追加費用を払うことは取るに足らない代償です。本物の野生の寄生虫や細菌、カビ毒で死傷するよりはるかによっぽどましでしょう！彼らが求めるのは現代技術で飼いならされた「純天然野生」であって、本物の野生ではないのです。だからこそ古代世界には純天然・野生信仰が存在しなかったのです。
 

現代ですら野生動物との接触は安全ではありません。10数年前のSARSと今回のCOVID-19、どちらも野生動物がウイルスの中間宿主でした。連中はどうして懲りないんでしょう？

多くの回答に権力への非現実的な幻想が溢れています。帝王が人材と物資を惜しみなく投入すれば現代の物流システムを再現できると思い込んでいる！人海戦術でどれだけコストをかけられるかはさておき...

帝王が人材と物資をこんなことに費やしたら、本当に帝王でいられるでしょうか？帝王にとって最も重要なのは食ではなく統治の維持では？800里加急の駅伝システムは食料輸送ではなく通信網維持のため、各地に離宮を建てるのは美食のためではなく領土統治のためです。権力の本質を理解しない人々は、権力とは我儘のためだと勘違いしている。そんな人物が帝王なら、最低レベルの生理的欲望に囚われた動物同然です！

現代人が食べるものは豊富さ・美味しさ・栄養・衛生面の全てにおいて周の天子を数十倍も凌駕しています。「四海を富ます」と言ったって、運べなければ意味がありません。古代の輸送条件では、都から100里（約50km）離れた場所の物産でさえ、干物か塩漬けしか口にできなかったのです。冷蔵庫の発明が食品供給に革命をもたらしました。古代の氷蔵で冷凍チェーンなど実現できるはずもありません。
 

食品添加物を毛嫌いする人々は、現代食品の豊かな味わい・色彩・香り・形状の全てが添加物によって支えられている事実を無視しています。防腐剤がなければ食中毒が激増し、天然のボツリヌス菌やアフラトキシンが人を殺していたでしょう。適切に使用すれば添加物は無害です。

「天然＝美味しい」は幻想です。動植物は人間のために進化したわけではありません。現在食べられている「地鶏」や「放し飼い鶏」ですら、全て人間が野生種から選抜改良したもの。現代の高速物流と冷凍技術がなければ、古代の帝王でさえ生野菜を冬に食べることは不可能でした。
 

現代食品工業の真の偉業は、砂糖と油脂の大量生産にあります。古代の富豪ですら想像できない量の糖分と油分が、あらゆる加工食品に使われています。KFCのハンバーガー一つ作るのに必要な食品添加物・調味料・製パン技術は、古代世界では絶対に再現不可能です。

最終的に重要なのは、工業化が古代の帝王ですら夢見られなかった生活を庶民に与えた事実です。抗生物質もワクチンもない世界、エアコンも電力もない世界に戻れますか？現代人が当たり前に享受しているものの多くは、古代では「神業」としか形容できないものです。